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- 種類
- 書跡
- 名称
- 宿送人足伝馬之書
- よみ
- しゅくおくりにんそくてんまのしょ
- 員数
- 1通
- 所有者または管理者
- 野々市市
- 所在地
- 御経塚1-182ふるさと歴史館
- 指定年月日
- 昭和45. 3.10
宿送人足伝馬之書は、大坂冬の陣と夏の陣の間の慶長20年(1615)3月5日に、野々市をはじめとする領内の宿駅[しゅくえき]に交付した命令書です。内容は、「公用の人足・伝馬で輸送を行うときは、この書面の御朱印[ごしゅいん]をもって命ずるので、正しい印か照合するために遣[つかわ]しておく。今後、御朱印がなく輸送の命令をするものがあれば逮捕するように」と命じています。この命令書の目的は、「宿送りの人足・伝馬」が勝手に使われること防ぐことにあり、また、大坂への出陣により、領内で不足した輸送人足を確保する政策のひとつでした。
この文書をきっかけとして加賀藩の宿駅制は確立し、寛永[かんえい]16年(1639)には御朱印による無賃の伝馬利用が廃止され、すべて賃銭を取る利用に切り替えられました。
各宿駅には公用の旅客や荷物を輸送するための馬や人足を供給する伝馬問屋が置かれ、輸送は馬と人足を宿駅で交代させる方法をとっていました。宿駅業務の責任者となる伝馬肝煎[きもいり]は問屋場へ詰めて人馬を統括し、野々市宿では瀬尾家が勤めていました。野々市宿に配備されていた伝馬の数は、寛文[かんぶん]6年(1666)が87頭、延宝[えんぽう]9年(1681)は73頭でした。